世界の果てで、呟いてみるひとり。

鳴原あきらの過去・現在・未来

あなたの作品には「SF的な視点」があると言われてビックリしたぐらいです


私のSF小説体験といえばそれは相当貧しく、『鼠と竜のゲーム』も読んでない気がするし(いや待てよ・さすがにこれは読んだような気が)、いったい何がどこらへんで「補完」しているのかもわからないぐらいです。学生の頃、読んで面白いなと思ったのは『幼年期の終わり』ぐらいで、その時なにが面白かったかというと、「ニュータイプが出てきてそっちの方が優れてるってんなら、地球はおまえらにやるよ」と旧人類があっさり滅びちゃうところだった訳です。その鮮やかな世代交代劇の後に、地球上で軽やかに踊る新人類。「異形のものは生まれても必ず滅ぼされる」式の物語しか知らなかったので、「へえー、それは美しいなあ」と思った。「こんな潔い変化は、きっとSFだから描けるんだ」と。今もそう思っています。だって現実は、常に旧い因習が新しいものを潰そうとやっきになっているんだから。