世界の果てで、呟いてみるひとり。

鳴原あきらの過去・現在・未来

「待て、しかして希望せよ!」も書いてあります。


図書館に行って、大人向け簡易版『巌窟王』(しかし昭和32年版)の翻訳を借りてきて、ざざっと読んだんです。簡易版だから筋の順序等はたぶん適当につづりあわせてあるんだろうけど、アニメみる補いぐらいにはなるだろうと思って。読みながら色々思い出しました。やっぱりダイジェストなら、子どもの頃、読んでる。


でもって。
ユージェニー、本当に女と逃げてました。
アルベールの時も結婚する気なかったけど、あんなカバッちなんか相手にしてられっかいな、と、お父さんからお金くすねて、自分にピアノ教えてくれてた若い女友達と駆け落ちしとりました。しかも逃げる時、ユージェニー男装してますよ。わーはーはー。お約束だな。繰り返し「女らしくない」って書いてある訳だわ。このお金がつきても、自分たちの才能で手に手をとって生きていけるわって誓いあってますよ。そりゃ前田監督でなくてもカッコイイと思うさ。たとえ後でのたれ死にしようが、それもひとつの人生じゃもん。しかしアニメではピアノの才能のある同世代の女性などは出てきていませんので、この展開はありえないのね。ちぇー。


あと、ヴァランティーヌがフランツを全然愛してません。むしろ最初っからマクシミリアンとできあがっちゃってました。そしてむしろノワルティエさんは、息子が決めたフランツと孫娘の婚約を、絶対阻止しようとしています。なぜなら、ノワルティエさんこそ、フランツの父親を殺した(第二話で確かに死んでましたね・アルベールとの運命の出会いは父親の葬式ですから)張本人だったからです。
これ一番びっくりした。
いいジイさんかと思ってたら、とんだくわせものでやんすよ。ヴィルフォールが、冷や汗かいて色々画策する訳だ。一応動乱の時代らしい理由があってのことではあるんですが、お父さんが殺人犯な上、息子の前で「警察はまぬけだな」なんていけしゃあしゃあと笑うような人じゃ、彼もそういう生き方しかできなかろ。ちょっと秋元さんが気の毒になりましてよ。
まあアニメにナポレオンは出てこないと思われるので、この流れは描かれないと思いますが。


なんかメルセデスとアルベールは新しい人生に踏み出し、伯爵はエデとめでたしで終わってるんですけれども。
そうなるのだろうか、アニメも。


カヴァルカンティは、アニメのせいで、出てくるたびに笑ってしまいます。
おまえ、面白いわ、いろいろと。最後、いろいろバレて警察にとっつかまる時に、目の前にいるユージェニーにつまらん捨て台詞吐いたりしてるんですが、ユージェニーが全然相手してなくて、さっさと彼女と逃げてっちゃうのもおかしい。盗んだバイクで走り出してる場合じゃないよ、関智一(笑)。というか実は父違いの兄妹なんだって、結局ユージェニーは知らないままですんじゃってました。その方が幸せだけどね。


ところでアニメ、ルイジ・ヴァンパが再登場してきたということは、ダングラール氏に対する復讐のとどめは彼がさすのかしら、という疑問が湧いてきた。あれは有名なくだりですが、ヘタするとコントになりゃしないか。


あと八話。三分の一。どんな展開をするのか楽しみです。