世界の果てで、呟いてみるひとり。

鳴原あきらの過去・現在・未来

それはこっちの都合、なのにさ。


人手が足りないので、ベテランでも難しいような仕事を、来たばかりの若い女の子に手伝ってもらっています。当然お互いてんてこまいな訳で「ごめんね、いきなりこんなことさせて。もっと簡単なことから始めなきゃいけないのにね」と謝ったら、「いえ、来たばかりなのに難しい仕事をまかせてもらって、ありがとうございます」という答えが返ってきた。


百点満点だ!


こっちの都合を押しつけてるだけなのに、なんて前向きな返事でしょうか。
そんなに口がうまいタイプじゃないんで、スッと出てきたあの慎ましい台詞は本当の気持ちなんだと思います。いや、それが何らかの訓練によって学習したパターン的な会話であったとしても、そうそう言えるもんじゃない。「いい子なんで、優しく指導してあげてください」って他の人にも言いたくなろうものです。


「仕事が正確で早い」ことは大事ですが、「もし仕事に多少の間違いがあっても、それを前向きに訂正していける」ことはもっと大事だと思うのです。そこまで到達してはじめて「仕事ができる人」と呼ばれるんだと思う。
仕事ができる人は、もっと良い条件の職場へうつっていきますから、彼女もそう遠くない日にここを卒業していくでしょう。
それまであの姿勢、ちょっと学ばせてもらおう。