世界の果てで、呟いてみるひとり。

鳴原あきらの過去・現在・未来

幸い、暑い季節ではない訳ですが


何日もお風呂に入れないと、一番つらいのは髪だったりします。やっぱり量が多いから? あと、実は耳もつらいことに気づきました。顔は風呂にはいらずとも、一日最低三回は洗うのに、耳はケアしない訳で。耳から喉にかけては弱点なので、気をつけなければならないはずですが、ぼーっとしているとそこまで気が回らない訳で。
日記の題名は「アトランティスから来た男」の主人公の別れの台詞*1ですが、耳って水や気圧の変化に一番弱い部分ですから、水棲人間にはふさわしいのか、とふと思ったり。ところでこの洋ドラが日本でオンエアされたのって……26年前か。今の若い人は知らないね、を通り越して昔?


日曜出勤の代休をもらえたので、いちにち英気を養いました。
まだ本を読むのもだるかったりしますが、吉屋信子の『黒薔薇(くろしょうび)』でちょっと息を吹き返したかも。恋人に裏切られた22歳の滝川章子は、田舎町の教師の道に逃れたものの、赴任先で再び嫌な噂にまきこまれかけ、相手をそれとなく遠ざけていくうちに……という、ある意味鬱々とした物語ですが、すすけた町に暮らすにあたって、せめていい布団をこしらえるくだりとか、女性に対して不愉快なことばかり押しつけてくる校長にタンカをきる場面とか(それで惨めな思いをしつつも、彼女を応援してくれる先生もあったり)……こういうのが小説の面白さなんでないの、と思う訳です。80年も前の小説だけど、古くさいどころか、今の方が状況はもっとひどいんじゃないのか、みたいな。門馬千代に「この冊子は他人に頼らず出すの、あなたも手伝って」と声をかけて*2、一念発起して出した本に連載したものなんだから、面白くなければいかんかったのだろうと思いますが。内容は似たようでも、『花物語*3よりとっつきやすいのは、やはり前向きな箇所があるからだと思います。


って、なんて陳腐な感想なんだろう……。
もうちょっと元気になってから書けばよかった(ってなにを?)

*1:パトリック・ダフィー演じる“マーク・ハリス”、初回の名台詞。声は池田秀一

*2:今、パンフレットから正確な文章を読み取ろうとしましたが、崩し字がちょっと読めない……行ける方は展覧会で見てみてください。

*3:展覧会によれば、『花物語』は泉鏡花の影響を作者本人が意識的に出しているそうで、「それであんなにツルツルしてるのか」と納得がいったりもします。ああ、そういう耽美世界なのね、って。