世界の果てで、呟いてみるひとり。

鳴原あきらの過去・現在・未来

結局は自分にとって面白いかどうか、だよね。


「エンターティメントでは、やっぱりアメリカの方が上だよね」などという台詞をサラッと吐かれると、その人の顔をマジマジとみてしまいます。その人が本をたくさん読む人なら、なおさらです。
「だって、あなたが読んでいるものって翻訳ですよね? わざわざよその国でも売ろうって選ばれたものは、ある程度面白いに決まってるじゃないですか。それを何と比べようとしてるんですか?」
と、心の底で思います(さすがに言わない)。
英語圏の人口の方が多いから、英語で書いた方が単純に売れるって現象もある訳ですが*1
ハリウッド女優が「単純な映画に飽き飽きしてて、日本の作品に出たかったんですよね」ってコメント言う時代ですよ?
そういうこといったらさ、漫画やアニメは(個々の質はともかくとして)、やっぱり東洋の方が面白いんじゃない?


6月頭に出た、某ゲームの二次創作アンソロジーが届いたんですが。
ヤバイ。
下手な漫画雑誌なんかより、はるかに面白いやん。
もちろん元ネタありきな訳ですが、パロディとしてレベル高いし、漫画としても思わず笑っちゃう。
プロが混ざっているというのもあるかもしれませんが(私が知らないだけで全員プロ、というオチだったらすみません)、この洗練度はなんだ、と思った。


「○○って」とひとくくりにするのは簡単だけど、そうやって片付けてばかりいるといろいろ見失うよな、と思う訳です。私みたいに底の浅い人間は、なおさら注意深くしてないといけない訳です。
結局物の価値って、自分にとって面白いかどうか、な訳で。


最近身も心も錆びついているので、頑張らなきゃ……。
拍手ありがとうございます。

*1:最近読んだ翻訳で一番面白かったのは、アゴタ・クリストフのデビュー作『悪童日記』ですが、あれだけレベルの高いものだったら確かに各国語に翻訳されるよな。バンガリー動乱の時代、親に捨てられた双子の少年が、吝嗇な祖母の家で、己の知恵だけで生き延びる物語です。