世界の果てで、呟いてみるひとり。

鳴原あきらの過去・現在・未来

これは「LUPIN the Third 〜峰不二子という女〜」じゃないよ

深夜アニメで○モネタなど珍しくなかろう、という貴兄もいらっしゃるかと思いますし、第六話「愛の牢獄」のネタバレをしますので、知りたくない方は以下をご覧になりませんよう。
とりあえず見てからという方は、Gyao等で一週間無料配信していますので、以下をどうぞ。
http://gyao.yahoo.co.jp/p/00114/v12095/



今回のリメイク「ルパン」は、主人公が峰不二子ということになってまして、ルパン一味の若い頃の話、少しずつまとまっていくところをワンクールで描くという形のようです。話はまだバラバラ状態、ほとんど繋がっていません。
沢城みゆきさん演じる今回の峰不二子は、まったく色っぽくありません。裸になろうがナニをしてようが、エロティックなところはかけらもありません。清楚というほどでもありませんが、優しい家庭教師や女学校の教師を演じている方が、むしろ生き生きとしています(どうやら彼女は幼少時になにかあったらしく、人形のようなこの色気のなさというのは、そこに起因してる可能性がありますが)。


でもって、この「峰不二子〜」で異彩を放っているのが、銭形警部の部下のオスカーという、若い美形警官です。今回のオリジナルというか、新キャラです。
銭形警部に憧れており、頬を染める少女のような様子が、第一話「大泥棒VS女怪盗」から描写されています。
まあ、その時点では「なにこれホモの人?」ぐらいだったんですが、第四話「歌に生き、恋に生き」で、目が点になった。
なんと銭形警部が、取り引きしたいことがあるという名目で、不二子を犯っちゃってます。それはそれで視聴者的には衝撃なのですが(「とっつぁんは不二子なんかタイプじゃないだろ、取り引きしたいなら別の手段とるだろ、だいたいこんな寝首かくような女は抱かないよ」という)、なににびっくりするかというと、それをオスカーがのぞき見しているわけです。そして怒るのです。「不二子ゆるさん!」それでもって「穢れた痰壺!」とか呼ぶわけです(あまりに穢らわしくて肉○○以下なんでしょう)。見ているこちらとしては「銭形警部、これ、オスカーを遠ざけるために、わざと不二子との濡れ場見せたのよね?」と思ってしまうぐらい、わかりやすい嫉妬の描写が続きます。


第六話では、それを上塗りする描写が。


ある論文を盗むため、女学校にもぐりこんで教師をしている不二子。ある女生徒が身につけている、父の形見のペンダントが狙いです。不二子はみんなの憧れの先生を演じており、「なにこれ百合?」と思いながら見ることになるわけですが、問題の女生徒の声がどうもちょっとおかしい。「なんで少年声?」と思いながら見ていると、衝撃の展開が……実は、女生徒の正体はオスカーで、ペンダントを不二子から守るために女装して学校に潜入、いざ盗まれてもペンダントが簡単に開けられないよう、新たな暗号をほどこしていたのでした!


いや。
それは別に衝撃じゃないんだ(いや、女装は衝撃か?)


不二子逮捕のみならず、ルパンもつるために、不二子をベッドにしばりつけるオスカー。裸の不二子に肌にワインを垂らすオスカー。
でもって、不二子の口に、キスをするオスカー。
 

なにこれ。
間接キスじゃん……。
でもって、もちろん不二子とやったりはしません。


痰壺にキスしてんなよ……。


オスカーは不二子に騙されて、ペンダントの暗号4文字を告白させられてしまいますが、不二子はそれをルパンにも教えます。その文字は「ぜ・に・が・た」です。
ルパンはおそらく、その意味がわかっておらず、きょとんとしています。
もちろん不二子はわかってます。
まあ、わかるわな。


ていうか、なにそのベタさかげん。
ドン引きしましたよ。
ほぼ折り返し地点にきてるわけですが、第一話からちゃんとつながってる話って、オスカーの話だけじゃん!


というわけで、今時点でのこのアニメは「オスカーというホモ」です。どう見てもそうです。これをみて「オスカーはホモじゃない」といいはる人は、あまりにも描かれているものから目を背けすぎです。



しかし、今後の展開に期待していいものでしょうか?



たとえば「巌窟王」は、フランツという、主人公アルベールの幼馴染みという定番のホモで、地道に過去を重ねてグイグイひっぱっていき、しかも最後は、フェルナン×エドモン、良いホモは滅び、悪のホモは願いを成就させるという、驚愕の結末だったわけで(原作にも男の娘がちゃんといたりするわけですが)。
そして「鉄のラインバレル」は、こちらも男二人女一人の幼馴染みという定番をやっておいて、実は三角関係の頂点は男、しかもさらに新たな女がでてきて主人公がとられそうになるので、必死で主人公にくらいついてくる友人というさらにテッパンをやって、死によっていったん退場したかと思えば、フランツと違って復活をとげ、さらに主人公に迫り、最後の最後までがんばるという執念の物語だったわけで。



ひとひねりないと、厳しいかなっていう。
というか、ベタすぎだろオスカー……。