世界の果てで、呟いてみるひとり。

鳴原あきらの過去・現在・未来

新春ドラマの原作、やっと読み終わりました

スキマ時間に、少しずつ、少しずつ、読んでいました。
『影武者 徳川家康



以下、ネタバレありです。


ちょっと長いんですが、面白かったです。


関ヶ原で家康が島左近の放った忍者に殺され、その後は影武者が家康となって、いくさのない世の中をつくるために尽力する物語です。
影武者の二郎三郎の、もともと自由人らしい考え方、生き様が面白いです。


ドラマは主に上巻をメインにアレンジしてましたね。
後半、かなり違ってました。
ドラマはドラマで面白かったので、あれはあれでよかったと思います(三成の「柿は痰の毒」の台詞を、島左近への遺言として使ったところとか、オリジナル部分もよかったです)。


本は本でしか書けない部分が良かったです。
いわゆる「悪い」本多と家康の、友情復活の場面とか、ちょっとホロリとしました。
後半は結構暗い展開ですが、高山右近の「祝福」の場面もよかった。
終盤は、暴走する秀忠を押さえるために、松平忠輝をおもしに使う展開で、クリスチャン話が多くなっていますが、これもドラマではでてきませんでしたね。
島左近が、豊臣に和平に奔走してくれた影武者の二郎三郎に恩義を感じて最後まで守り、花見の約束を果たすエンディングは、ドラマよりよかったかも。ドラマも何も、爆死させなくてもよかったのに(苦笑)


ひとつ勉強になったのは、諸国をさすらう人にとって、天皇は唯一絶対不可侵の存在である、というところでした。
これもひとつの宗教みたいなものなんだろうなー、と思ったりしますが、自由人にとっては、いま自分のいる土地の領主が誰になろうが関係ないわけで、拠り所としての偉い人っていう概念なんだろうなと。


どこの国でも、最底辺層の人がウルトラ右翼だったりするのは、そういう部分もあるのかな?


あ、拍手ありがとうございましたー!