世界の果てで、呟いてみるひとり。

鳴原あきらの過去・現在・未来

2/14に行われた、beco cafe mystery night vol.2


今頃になって、なんですが。
数藤康雄さんと小山正さんゲストによる、クリスティファンクラブのお話。


1)戸川安宣さんが立教大学に入学した際、ミステリクラブがなく、くさっていた(後に自分で設立)。
その頃、ミステリマガジン(だったかな?)で、ミステリ仲間を集う会があり、そこに行って、SRの会やROMなどのミステリクラブの人と出会うことになった。その中に、数藤康雄さんがいた。

2)数藤康雄さんは大学院在籍中、卒業に必要な数の論文を書き上げてしまい、もうひとつ二つおもしろい論文を書こうと思い、『アクロイド殺し』に出てくるディクタホンについて、クリスティーに手紙を書いた。人の声をそのまま再生できる、そんな小さな録音機が、そんな昔にあったはずがないと思ったため。
出版社宛に書くと届かない可能性があったので、イギリスにいったのにクリスティに会えなかった長沼弘毅さん(の著書にあった自宅あての住所)に手紙を書いて、クリスティの住所を聞き出した。

3)文通が始まったが、長く続けるために、数籐さんはクリスティのファンクラブを設立。それで話題をひっぱった。クリスティが階段から落ちて骨折した翌年、ゲストハウスで静養していて、「こちらのゲストハウスなら(他にもいろいろお客が訪ねてくるための家なので)来てもいい」といわれ、数籐さんはイギリスへ。唯一、クリスティにあった日本人となった。年齢のせいか、骨折のせいか、だいぶ背が縮んでいたらしい。

4)ファンクラブ誌は横向きのA6サイズぐらいのもの。北村薫が学生時代に作成していた冊子(ミステリ誌「宝石」にちなんだ名前のもの)が印象に残っていたので、その判型を真似してつくった。クリスティのベストのアンケートなどをとってクリスティに送り、クリスティからお気に入りの自作10作のリストをもらったりしていた。近年までずっと出していたが、現在は不定期メルマガのみ。最終号の後にでた特別号は、クリスティゆかりの地を訪ねる人に便利な旅行記

5)戸川さん数籐さん小山さんの、一番好きなクリスティの話題など。『そして誰もいなくなった』『アクロイド殺し』など。戸川さんは自分が出したこともあって『謎のクイン氏』をあげていました(私もクイン氏は割と好きです)。

6)クリスティの映像の話題など。お正月にオンエアされた、三谷幸喜版「オリエント急行殺人事件」についてなど。前半は映画リスペクト、後半は完全オリジナルで、あれはあれでありだと思う(小山さん)。野村萬斎のポワロは、続けばあれでよくなると思う。デヴィッド・スーシェのポワロを熊倉一雄があてた時、最初は違和感があったが、今は他の声は考えられないはず。ついにポワロも最終シリーズまで来たので、最後までやれる?


ほんとうに記憶だけで書いているので、間違いがあったら申し訳ありません。


個人的には、数籐さんの、対象へのアプローチが非常におもしろかったです。
メルマガも精力的に出されていて、貪欲な方なんだと思います。
これじゃダメだから工夫しよう、というのが。
個人情報がゆるかった時代ならでは、の話ですが。
だって、作者の住所が本に載ってるとか!


でも、たとえば昔のハヤカワミステリマガジンって、感想投稿者の住所がのってたんだよね……だから私、手紙書いたことあるんですわ……ギリギリ、その世代なんですよね。