世界の果てで、呟いてみるひとり。

鳴原あきらの過去・現在・未来

月の子どもと死神と


前の週末に地上波でやった「MOON CHILD」をわざわざビデオに撮りました。映画館にも行ったし、DVDも実は持っているのです。そんな風に書くとこの映画の大ファンのようですが、映画館で一度みたきり、しかも途中でトイレに立っているという投げやりな私。ビデオにとったのは主に「とりあえずもう一度みとこう!&いまさら妹を巻き添えにしよう!」というのが目的。任侠+吸血鬼という♂♂要素ダブルなこの映画を、妹がどんな風にみるかな、と……。


ウケたのは、Gacktを助けるために、死刑場に護送されていくHYDEが脱走するシーンのみでした。
太陽にあたらないように布をかぶって逃げる姿が、なんか情けなかったらしいです。
それなりに見せ場なのにね(笑)


二人で朝日を見ながらふっと姿を消してしまうラストまで♂♂映画な訳ですが、淫靡な感じはしないんですよね。それはHYDEの演技力のなさゆえでなく、任侠映画専門の監督がお約束にそって清潔に仕上げているからと思われ。多少冗漫ではあるにしろ、「なんだこの映画は!」と激怒しなくてすみます(激怒する人は、最初からみないだろうけど)。というかあの二人が主演であそこまでもってった監督は本気でエライと思います(「ラスト・クォーター」みた後だと本気でそう思う)。すでに地上波で三回ぐらいはやってると思うんですが、話の種に、と思う方はご覧あれ。


ちなみに妹に「がっはい? はいがっ?」と訊かれました。
ええと、G×Hだよね?*1


あと、水曜日から衛星放送で「ロミオの青い空」の再放送が始まったんですよ。本放送の時、最初の方は見てないので、妹にビデオ撮ってもらってみたんですが。


やっぱり「死神」こわいよ!


「ロミオ〜」は『黒い兄弟』を下敷きにした1995年の「名作アニメ劇場」作品ですが、これに出てくる最初の悪役が「死神」です。貧乏な家の子どもを買って売りとばすのが商売の、つまり「人買い」なんですが、死神(=子どもを墓場に連れていく、の意味らしい)のあだ名どおり、なんか逸脱しちゃってるキャラなんですよ。別にその家が貧乏してなくても、気に入った子どもがいたらその家の畑に放火したりする。その子を手元において可愛がりたいとかこきつかいたいとか高く売りたいっていうなら、そういうことをするのもわかるんですが、別にそういうことはなく、金の亡者という感じでもない。あげく、これから出航したら命がないと人に止められるような嵐の海に、商品の子どもを乗せたまま無謀に漕ぎ出したりする。「こ、この人は自分の命が大事じゃないのか!」系犯罪者で怖い。何考えてるのかわからないから。最後の方でも再登場するんですが、ぜんぜん変わっておらず、「黒いしみ」のような不安感をかもしだす。島田満よ、なぜこんなおっかないキャラを描きましたか!みたいな。


アニメは途中で、ロミオの煙突掃除夫残酷物語から、アルフレドのお家復興物語メインになってしまって(アルフレドは一応原作でも少年達のリーダー格ではありますが、良い家の坊ちゃんじゃありません)それなりに盛り上がったりするんですが、「本当に名作アニメ枠? ガンダムWと放送時間とチャンネルとっかえた方がいいんでないかい?」と目を何度パチクリさせたかわからないアニメです。そういう意味では名作なのか? 藤田=アルフレド×折笠=ロミオペアの強烈さはもっと語り継がれてもいいと思います。美少年対決ともいうね(笑)。

*1:最初、トヨエツ×HYDEでトヨエツが滅びて、その後やさぐれていたHYDEGacktがひろって仲間にして、という展開を考えたらあってますよね? というかこの映画にHYDEを誘ったのがGacktなんだけど。あ、HYDEに血を吸わせたGacktを誘い受とみるか、ですか? まあブラム・ストーカーの時代から、それらしく女を挟みながらも、吸血鬼はそちらの妖しさを漂わせるものと相場が決まっており……。