世界の果てで、呟いてみるひとり。

鳴原あきらの過去・現在・未来

枯れていくのをみて安心する自分


前の家で、あざやかなピンクの薔薇が咲いていたのです。
目が覚めるような、という表現がありますが、本当にギョッとするほどの色。
こんなに寒い時期なのに、そんな春みたいなって。
その家は持ち主が亡くなっているので、ふだんは誰もいない(お子さんが時々手入れにくる)のです。そのちょっと荒れた庭に、すっと背を伸ばしたピンクの薔薇が、塀の外から見える。


もちろん、開花してからしばらくすると、風雨のせいもあってさすがに色が醒めてきました。枯れてくると、むしろ安心したりして。


花屋の店先に、年じゅう色とりどりの花が置かれていることには疑問をもたないのに、なんで数輪の薔薇にドキドキしたんだろう、と思うんですが。


なんでこんなに、自然に幻想があるかなあ。
人工物大好きなくせにな。