世界の果てで、呟いてみるひとり。

鳴原あきらの過去・現在・未来

ハイスミスを読んでいる訳なんですが。


翻訳の勉強で、パトリシア・ハイスミスのロマンス小説を訳しているんですが、こう、良いシーンになると、ふっとタイプトリップしてしまうんです。恋人同士の力関係の差を示す表現とか、台詞の駆け引きとか、思わず自分の経験から編み出してしまおうとするのですよ。まあロマンスや性を扱う小説ぐらい、その人の世界観や過去をクッキリ反映するものはないように思いますが、「オマエあの人の言葉づかい流用するなや」と自分でツッコミをいれたい時もあり。いやむしろ、ナリハラはあまり深みのない人間な上、あまり賢くないので、実作では「このヒロインもっと頭の良いことを言わなきゃならんのに、自分じゃ書けない。キー!」な時もよくあったりするのですが。


いい思いさしてもらってた訳だよな。うん。


とりあえず今、巌窟王*1なんか見てるので、「保護し保護される者」関係の萌えについてはぬるま湯程度に癒やされている訳です。去年、己の中にいる総ちゃんの叫びのままに、「功刀さん!」を書き散らしていた時よりはね。枯れているともいう。
だけどポチポチ、普通にロマンス物なんかも書き出している訳で。「頭の良い人の意外な可愛らしさ」という方は癒やされてないみたいですよ。なんていうんだろ、ズバリズバリとこちらの心を見抜いて、いつも上手に先回りするような人が、ちょっとした弱点を突かれて、ポッとはにかむようなのが……。


いい思いさしてもらってた訳だよな、私はな。

*1:オフィシャルファンムック、予約してきました。というか、随分送料高いんだけど、いったい冬コミ版に何がついてくるの?