世界の果てで、呟いてみるひとり。

鳴原あきらの過去・現在・未来

風の通る場所で


風の通る場所で
一時間も目を閉じていると
身体の中にも風が通って
書くものが此処にあることを思い出す


緩まない身体
緩まない心
それは「緩んではいけない」何かのための緊張


それでも疲れ果てた肉体に宿るのは
ひたすらに暗い思念のみで
それは何も生まず
更なる疲れをうみ


この世の楽しみは
すべて人との関わりあいにあり
狭量な私でさえそれを大いに望む
のに


身体が癒えはじめたとたん
また暗い場所へ降りていこうとするのは
なぜか
降りない己を責めているのは
だれか


いったい何が私を司っているのか


せめて汚い気持ちのために
書くことをやめて
風を通して清められた心で
降りてゆこう


その最奧が果たしてどのようなものであれ。