世界の果てで、呟いてみるひとり。

鳴原あきらの過去・現在・未来

みました。「ヤギと男と男と壁と」


サイキッカーとして、2010年に、実在したアメリカ陸軍超能力者部隊の映画が公開されたら、それがどんなに「バカ映画」の予感がしても、みるしかないですよね?
http://www.yagi-otoko.jp/


ひとことでいうと、現代的というか、なんとなくゆる〜い感じの反戦映画です。
ベトナム戦争にいって、戦争がいやになっちゃった兵士(それでなくても新兵ははじめから敵を撃てないわけで)が、ニューエイジ思想にかぶれ、超能力者兵士(基本の殺傷能力も身につけつつ、見つめただけで敵の戦意を失わせる東洋的な僧兵)を育成しようとした、という実話を元につくられています。
ヤギを見つめただけで倒すとか、生身の身体で壁をくぐりぬけるとか、トンデモ実験も紹介されていますが、リモートビューイング(遠隔視)スパイっていうのは、ありそうですし、自分の気配を殺して潜入捜査するとか、殺傷兵器にみえない武器の開発あたりはかなり現実的な話であって、映画のユーモラスなトーンに騙されていると、なにかを見落としてしまう感じ。
原作はイギリス記者の米軍ルポルタージュであって、具体的なストーリーというのはないので、映画では妻に裏切られた傷心の記者が、身の置き場がなくてイラク戦争の取材に行き、そこで米軍超能力者部隊の遺産と出会う、という話をこしらえています。原作になく、映画の中にあるのは、イラク戦争への謝罪と現地の人との交流です。ベトナムでやったことよりさらに愚かなことやってるわけですから。そして愚かな軍の遺産の解体までが描かれています。やり方はアレなんですけども、話的にはアリでした。
そして、記者が今回の経験をもとにかいた記事の大半は無視され、おもしろおかしい拷問の部分しか発表されず(イラク人の捕虜に子ども番組の歌を聞かせ続けるというもの)、彼は報道人の使命に燃えて戦い続ける、というところで幕切れ。
個人的には、随所に挟まれるニューエイジな風俗が面白かったです(たぶん若者がみたら「なんじゃこりゃ、ダセッ!」「カルト?」とか思うんだろうなあ)。


まだ上映中なので、興味をもった方は劇場へどうぞ……っていいたいところですが、普通の人は、みたら「ビミョー」っていうんだろうな……。


あ、福岡のイベント、終了したんでしょうか?
サイキッカーの皆さん、お疲れ様でした!