世界の果てで、呟いてみるひとり。

鳴原あきらの過去・現在・未来

ブリューゲル「バベルの塔」展@東京都美術館


http://babel2017.jp/


正しくは、ネーデルランド絵画16世紀展、というべき展覧会かと。


ブリューゲルの本物が24年ぶりに来日、ということで、一目見ようと行かれる方が大勢だと思います。あと、ヒエロニムス・ボスも来てますし。


展示はオランダ絵画(や彫刻)を、時代の流れと共に説明してくれます。宗教的な作品も多いのですが、同じ人が繰り返し出てくるので、あんまり詳しくなくても「あー、これもカタリナさんか」みたいな感じで見られるかと。格言を説明してる絵の方が難しいかもしれません。


展示そのものは、見せ方に工夫があって、薄くらくて細部が見えないなーという作品に対してのフォローがあります。ので、そこは評価していいかなと思います。ブリューゲルの「野ウサギ狩り」は、本当に現物がいい感じなので、これは実際に見られてよかったです。当時の画家たちが、イタリア・ルネッサンスの影響を受けつつ(コロッセウムの写生なんかして帰ってくるのが流行だった)、独自の作風を展開していったということは、よくわかりました。


さて。


問題は、目玉となる、バベルの塔、なんですが。


展示の最後の最後にあります。
そこだけ、別に列をつくらされまして。
「立ち止まらないで見てください」


え。


そんな大きくない絵なのに。
そこまで至近距離で見られないのに。
歩きながら見ろ、と。


「じっくり見たい方は後ろからご覧下さい」


その距離からじゃ、ほとんど見えないよ!


これは、かなり、マイナス点です……期待して行かれる方は、ほんと、空いてる日、空いてる時間帯を狙って、ゆっくり見られるかどうか挑戦なさってください。
私は美術館内に3時間弱いましたが、それでも後半は、駆け足したくてたまりませんでした。
細部については、奥に映像で説明が補われてるのですが……あと、私は行けなかったのですが、東京藝術大学「Study of BABEL」展が同時に開催されてますので、そちらにある模型なんかでじっくり見てもいいのかも、です。


音声ガイドは、これは「いい」と思いました。
繰り返し聞けるので、足踏みしてなきゃ行けない時に、絵画の復習ができたりします。
森川智之が、マスコットキャラと二役を演じ分けていて、絵に描かれていることわざについて説明してくれたりします。


グッズですが、展示の最後にあって、ここもめっちゃ混雑してますので、じっくり見られない感じです……どうして外に設置してくれなかったの、ってちょっと思いますね。お会計は早いんですけど。


図録は買いだと思います。
行けないなー、という方は、通販があるので、それを利用してもいいかもしれません。
https://shop.asahi.com/products/detail.php?product_id=1021
行くかどうか迷っている方が、事前に買うのもありです。
原寸大ポスターのおまけがついてたりするので、「こんなサイズなのか」と思って見るのもありかも。大きな絵ではないです。


私が体調がよくない時に行ってしまったのもあるかもしれませんが、基本的に混んでるっぽいので、体力を削られるのは覚悟して行かれた方が良いかと……思います。