美少年がたくさん出てくる(?)探偵の本、大人の方が大人げなくない? と思いつつ読んでいる。
— たこやきいちご (@takoyakiitigo) 2021年5月13日
鳴原あきらさん(@narisama_cmbot )「美少年興信所(1巻)」#テキレボ戦利品
— たこやきいちご (@takoyakiitigo) 2021年5月13日
眠れる森の美少年、あるいは迷宮への逃走
興信所を運営する男のもとに、ゆえあって居候するふたりの少年(片方は青年といっていい年齢であるが)。1巻目は、彼らの物語なので、たしかに「美少年興信所」である。
彼らのもとにさまざまな事件が持ち込まれ、それらを解決し、あるいは背景を推理するうちに明らかになるのは、「少年たちふたりに向き合う大人は、ひとりもいない」という狂おしい現実である。
— たこやきいちご (@takoyakiitigo) 2021年5月13日
だれもかれもが、彼らを利用することを考え、あるいは、彼らの背後にいる(と考える)誰かを視ている。
どんな茨を張り巡らせても、彼らは自身を守れない。なぜなら彼らは「子供」だから。大人は子供たちの張り巡らせる茨なぞものともしない。子供にできることは、せいぜいが、「害にならない大人に庇護されることを願う」ばかりである。
— たこやきいちご (@takoyakiitigo) 2021年5月13日
しかしそれにも限界がある……そして彼らはどうしたか。
少年期のまどろみから目覚めて手を取り、迷宮へ逃走したのである。
— たこやきいちご (@takoyakiitigo) 2021年5月13日
大人の世界という名の。
そして読者は、彼らの周りの大人たちが、結局のところ、彼らと同じような境遇で、同じように迷宮へと逃走せねばならなかった人々ではないかと、気づくのだ。
となれば読者の願いはひとつである。
つないだその手、その相手が間違いでないことを。
— たこやきいちご (@takoyakiitigo) 2021年5月13日
なかなかやるせないお話だった。
— たこやきいちご (@takoyakiitigo) 2021年5月13日
鳴原さんらしい、人間関係について変な甘味料がまぶされてないところがいいと私は思う。
こちらこそ花も色もある作品で、そういうのを捨象してしまったかのような感想で申し訳ない……(^.^;;;)
— たこやきいちご (@takoyakiitigo) 2021年5月15日
彼らのまわりにいる大人の、唯一良心的なところは「私は君のためにやっている」と強弁して少年に選択を迫らないところでしょうかね。小説の見えてる範囲外でやってるかもしれませんが……
ところで、興信所職員としては知恵蔵さんは意外に平凡で、ぶっちゃけほかのふたりに推理してもらったほうが上手くいきそうなんですけど(笑)と思いながら読んでいたのは秘密です。
— たこやきいちご (@takoyakiitigo) 2021年5月15日
感想ありがとうございました……!
『紫の宝石』を読まれた時に親世代のひどさについて言及されていたので、『美少年興信所』はそれに輪をかけてひどいんだけど大丈夫かなとちょっと思っていました、
『彼の名はA』も『美少年興信所』も、「力のない一般の人間はどうすれば理不尽をはねのけられるのか、滅びずにすむのか?」がテーマで「仕方がないから知恵で切り抜ける」、なんですよね……オカワダさんが「生きるためについてしまった筋肉とでもいうような知性」って書いてくださったことがあるんですが、そうなんです……!
いただいた感想に追加させていただきました。ありがとうございました。
ちょっとまた風邪がぶり返してきちゃったっぽいので、今日はこれだけで……。