世界の果てで、呟いてみるひとり。

鳴原あきらの過去・現在・未来

「巌窟王」第15話


今回の目玉は、アルベールの愛の告白(←時間配分から考えてもこれ一番重要)と、ノワルティエさんの自動書記ペンといったところでしょうか(あとはエデのリリーナ様発動・後編?)。


雨に濡れたアルベールはお風呂に入れてもらったのでしょうか(一緒に入ってたりしてね)、伯爵とおそろいのガウンでくつろいでいます。水ギセルを吸いながら己の辛い過去を話す伯爵。その話に共感し、涙を流してしまうアルベール。伯爵がパリを離れるときかされ、その勢いでついに。
「僕は、貴方から離れたくない」
「あなたは、そんなに私を想っていると?」
「はい」
「情熱は、やがて醒めるものです」
「そんなことはない……僕は、僕は貴方が」
「いつか、いつか再び同じ質問をしましょう。果たしてその時、あなたは私を想ってくださっているか」
もう、愛の告白合戦以外のなにものでもなく。
でもこの二人は疑似父子なので、萌え場面というより微笑ましかったのです。
いや伯爵、アルベールのこと本当に好きだろ?
宇宙に連れてったのも、たとえ話するためだけじゃなくてデートでしょ?
幕切れ直前の笑いは、巌窟王にのっとられての笑いでしょ?(つーかあれみて久しぶりにアーカードと思った)
前回と違った意味で、伯爵がいろいろ可愛かったです。


ところでノワルティエさん。あの管の類は生命維持装置ではなかったのね。エロイーズが彼を縛り付けるための道具だったんでしょうか。つけてなくてもピンピンしてるわ、むしろ初めて意思表示するわ。
義手に仕込んであった、自動書記ペンのギミック、それを作動させるのは孫娘に託したパスワード、というあたり、ゴシック趣味とSFの融合で面白かったです。
しかし。
「ありがとうフランツ君。君たちは孫娘を守り抜いてくれた。私の記憶がもし役立つならもっていきなさい。どうかヴァランティーヌを宜しく頼む」
ひー。えっらい皮肉だー!
ヴァランティーヌを追い込んだのは、♂♂婚約者のフランツ君でっせ!
今回も見舞いにきたのも、彼女のためじゃないよ!
まあ複数形だからいいのか。


エデは予想通りリリーナ様モード全開で、将軍の過去の策謀を公衆の面前であばいて打ちのめしましたが。
一つ疑問なのは、混乱する演説会場からどうやって帰ってきたの?
アリに守られて? それとも堂々と?
これでフェルナンは妻に見捨てられるかもしれませんが、彼の政治家生命って、この程度のことで終わりなんですかね。戦時の混乱の中でのこと、といくらでも申し開きができるような気がする。証拠はないし。それに一度のスキャンダルで潰れちゃうような男なら、最初から大統領なんて無理だろうよ。
繰り返しますが、伯爵が復讐のためにしてきたことを全部知ったとしても、実父フェルナンより伯爵の方が好きに違いないよ、アルベール……それは普通だよ。