世界の果てで、呟いてみるひとり。

鳴原あきらの過去・現在・未来

「島左近が高橋英樹ですって? 重たいなあー! 三成は誰なの?」


石田三成は、及川光博でした。


「悪いけど、彼じゃ、四万石ぜんぶ出しても、高橋英樹が雇えないよ。
生え抜きの重臣で、じいやだとかいうならともかく。
西田敏行の家康は問題ないだろうけどもさー、影武者と二役演るんじゃ、影武者じゃないじゃん!」


と、ツッコミながら見始めた『影武者 徳川家康』でしたが。


http://www.tv-tokyo.co.jp/kagemusha_ieyasu/


結果から言うと、期待以上に面白かったです。


安定の西田敏行
影武者モードと家康モードの演じわけはさすがです。
行動原理にも一本筋が通っていて、カッコイイ。
あれでは側室の皆さんにモテモテになっても、変じゃない。
黒田如水が三成にかけるはずの羽織まで、家康としてかけちゃったよ。


反対に、徳川秀忠役の山本耕史の、悪そうなこと! 
適度に小物感を出しつつ、西田影武者家康と対立し、ひとり悪役を背負います。
珍しいんじゃないの、こういう役?


高橋英樹は、これはもう大活躍。
島左近は、関ヶ原で討ち死にした説、しなかった説がありますので、生き延びててもおかしくないんですが、大坂夏の陣まで、生きてました(最後はあれ、爆死?)。
時々、桃太郎モードに入っちゃうんですけども(笑)、あちらこちらを取り持つ役で、最初っから晩年すぎるけど、あれはあれでよかったかな。


ミッチー三成が刑場に運ばれていく時、高橋左近が僧形でひそかに見送りにいくんですけれども。
水を所望して駕籠をとめさせて、水がないから、とかわりに出された柿に「柿は痰の毒」と断るあの有名な台詞が、島左近への遺言になってまして。つまり「命を大事に、最後まで諦めないで、秀頼様を守ってくれ」という意味に聞こえるようになってた。
なかなかうまいつかい方で、あれが主君から部下への言葉なんだとすれば、いい場面でしたね。
見せ場があってよかったね、ミッチー。
(母は「信長のシェフの方が良かった」っていってましたけども・笑)


大谷さんなんか名前だけしか出ませんでしたし、真田幸村もほとんど活躍できなかったりしましたが、ドラマとして、よくできてたので、不満はありませんでした。


だってふつう、5時間のドラマなんて、最後まで見てられませんよ。
史実から大きくはずれず、でも「どうなっちゃうの?」とハラハラさせる脚本、少しずつネタをわっていく展開、適度に挟まれる美味しい場面、きちんとした殺陣、夜襲、合戦シーン、俳優陣の演技力もあって、最後まで見させられちゃいましたねー。


原作がちょっと、読みたくなりましたよ。