世界の果てで、呟いてみるひとり。

鳴原あきらの過去・現在・未来

twitterのお題もので

https://twitter.com/narisama_cmbot/status/866669638905511936


#RTかいいね来た数だけ小説書く時のこだわりについて話す
やってもこないしつまらないことしか呟かないというこのアレが


日曜日の夕方に投げたせいか、「いいね」がけっこうついてしまいまして……

いつの間にか24になっていた上に一日以上経過してしまったので、ここらへんで回答していきます……24もあるかな こだわりというよりも、書いている時、読んでいる時の自分について話していきます


1)使用ソフトは「一太郎」です。使い始めて今年で28年目です。なので、ATOKがない環境だとまともに長文が書けないです。こだわり以前に他のものが使えない。本もサイトも電子書籍一太郎で作成しています。メモ段階から一太郎です。


2)キャラクターについて:名前をつける前に、外見のモデルとか、声のイメージを決めておきます。つまり「あいつならこういうだろう」という、一次創作でも二次創作的な作業をしています。しゃべらせる時に楽になります。


3)キャラクターについて:力関係と関係性についてを一番重視します。登場キャラクターが決まったら、必要な時は大きな紙に書き出して図にします。この時点で仮にでも名前をつけておきます(名前もイメージの一部なので)


4)キャラクターについて:使いたい名前のストックがありますが、あまり使わないです。そのキャラクターで何を表現したいかとか、モデルにそった名前をつけます。いい加減なつけかたをすると、後悔することになるので……


5)キャラクターについて:おおまかにモデルを設定しても、キャラクターは自分の分身にしかなりません。なので私のうすっぺらい人柄がそのまま出ますが、細部に自分自身の趣味やこだわりがでて、それがたぶん整合性になってる、と思いたい……自分の外にいる人の魅力は説明しきれないのですよね……


6)キャラクターについて:トリックスターが大好きです。見る分には本当に好きです。ただし自分の中のトリックスターが目覚めた時は恐怖します。26歳から制御することができずにおり、それに書かされながら現在に至ります。現在のトリックスターは、満潮音さんです……殺したい……!


7)ストーリーについて:ストーリーを重視しません。自分がストーリーテラーではないことを痛いほど自覚しているからです。また、ストーリーのせいでキャラクターが単なる操り人形になるなら、そんなものは不要だと思っています。キャラ小説でなにが悪い。感情移入できない小説の何が面白い?


8)ストーリーについて:不要だといっているわけではありません。ストーリーはむしろ、鉄板がいいと考えています。また、前提に対して道理を通すことが最重要だと考えています。これは書く側としてだけでなく、読む方・観る方としてもこれを判断基準にします。物語がねじれる意外性なんかいらないよ!


9)ストーリーについて:『彼の名はA』に「事件を解決したり、しなかったりします」という素晴らしいキャッチコピーをいただいてますが、ちゃんと毎回解決しています。ただし、事態の打開より心理的な解決を重視しています。悲劇を書く時も、そこにいたるまでの道筋はきっちりつけています


10)世界観について:なるべく日常を逸脱しない世界を書いています。というか「こういう社会なのです」「こういうシステム・風習なのです」という形で抑圧してくる物語・関係が大嫌いで、書けませんし読みません。優れたファンタジーやSFやロマンスは、キャラクターも読者も抑圧しませんよね……


11)ロマンスについて:苦手です。なんで書いてるんだろう。なんで百合誌でデビューしちゃったんですかね。商業BLもほとんど読めないのに、なんでBLのシリーズを書いているのでしょうか(誰にきいているのか)。なので本当に、関係性だけで書いていますね……


12)ロマンスについて:美形趣味です。登場人物はほぼ無意識に美形にしています。なりはらさんは基本的に、面食いらしいです。ただし、キャラクターが、外見で相手に惚れることはないです。「そりゃ顔は好みだけど、顔で好きになったわけじゃない」というアンドーの台詞がすべてです。


13)ロマンスについて:たぶん、基本パターンは二つしかないです。他はすべてバリエーションです。ただし、自分が「これがロマンスであろう」と思わない関係を書いても、説得力は絶対にでないことはわかっているので、それでいいと思っています。


14)ロマンスについて:激しい感情を描けるのがよいです。某漫画を読むまで、自分の中にある偏りや感情は、表現してはいけないものなんだとずっと思ってきていて、それまでほとんど書けなかったのですが、制限がかかっていたらいたで、今書けない物が書けたという気もします。「ひとりゐ」とか。


15)ミステリについて:苦手です。なのになんで書いているかというと「謎→推理→合理的な解決」という決まった形があり、この箱に投げ込むと、それなりにまとまるからです。なのでプロパーの人からみれば邪道でしょうが、私の理想の探偵小説は、別役実の「探偵物語」なので、邪道で結構です。


16)ミステリについて:なので時々「本格は書かないんですか」と訊かれると「私の何をお読みになっているので?」と思います。私にとって本格ってチェスタートンとか泡坂妻夫とか都筑道夫です、でもそれって本流じゃないんでしょ、という。いいんですよ、どこでも私は、プロパーじゃないんだ……


17)プロットについて:基本的にしません。プロットとは、物事がどういう形で解決するかの力学を示したもので、あらすじではないからです。そして、キャラクターの関係性がはっきりしており、それを書いていけば、不要なはずです。彼ら本人が、事態を解決してくれます。


18)あらすじについて:これはざっとやります。特に長いもの(といっても100枚以上ぐらい)の場合は、どの順番で何のシーンを書くか、ある程度メモをとっておきます。私は基本的に短編書きなので、短いシーンを積み重ねていく形でしか書けないからです。


19)下準備について:何を書くかを決めたら、調べ物はそれなりにやります。シリーズ物の場合は半年以上、調べ物をしないと無理です。古い資料も読める図書館のありがたいこと……! 書く対象にもよりますが、資料だけで足りない場合は現地取材に行きます。当たり前か……。


20)作品テーマについて:長編連作を書くようになってから自ずと定まってきました。「何らかの理由で社会からこぼれ落ちそうになっている人を、何の力もない一般市民が助けるにはどうしたらいいか」です。悲劇として書いたのが『神の名を呼べ』で、明快に書いたのが『彼の名はA』『美少年興信所』
(ミステリ系の漫画雑誌の「力のないものがただ犠牲になる」「それに発憤して事件の解決がはかられる」パターンの話に食傷したからです。まず犠牲をだしたらだめだろっていう)


21)文章について:二十年ぐらい翻訳の勉強をしてまして、「音読した時につっかえない文章が良い文章である」ということをたたき込まれてきたので、おかげさまでだいぶ読みやすくなったようです。昔はすごく硬い文章・翻訳調で読めない、といわれてきましたが、皮肉にも今は言われなくなりました。


22)文章について:若い頃に読んだ作家の影響を著しく受けており、無意識に独自の語彙や字遣いをそのまま使ってしまっています。こだわりではないのですが、「口唇」を「くちくちびるってなんですか」といわれた時は、思わずすっころびました。そのまま「くちびる」ってよんでください……。


23)文章について:地の文少なめです。基本的に会話小説です。「人は会話のない本を読まない」といったのはクーンツですが、会話のみでシチュエーションを回していく作家・劇作家が好きだというのもあります。会話と場面を重ねていけば、物語の体裁は整うので……。


24)文章について:よろしくありませんが、ほぼ自動書記です。あらすじが決まっていない時は、とにかく冒頭だけひねりだします。謎さえできれば解決するだけなんで……。ロマンスでもキャラができていてゴールさえ見えてれば書けるわけじゃないですか。


25)文章について:書く対象によって、じゃっかん文体は変えます(主に二次創作で、ですが)。評論なら硬め、歴史物なら柔らかめとか…… 文体分析にかけると、ほぼ意図したとおりになっているようです。


26)スランプについて:ずっとスランプです……「筆を折るってこと、考えたことないですか」と、時々訊かれますが、「いろいろ限界なんで、あと○本書いたらやめます」ってもう20年近く言ってるんじゃないのか……?


27)スランプについて:書けないときの一番の解決法は、とりあえず下準備だけしておいて、後は面白い本を読むということにつきるのでは……と思います。インプットなしでアウトプットは無理です。昔はお気に入りの作家を読めば復活しましたが、今はもう無理なので、新しい本を……


28)本の組版について:一太郎に基本のフォーマットを入れていて、それで書いています。字体はその時々で少し変えます。見やすくない人もいるとは思うのですが、これが自分が見やすいと思ってんだよ!というアレです。スカスカの本は嫌いなのです……


返信してる途中で4つ増えたので、バランスがよろしくないですね……。っていうかこれ、こだわりなの?


いろいろと貧しい自分を再確認しましたね……。