世界の果てで、呟いてみるひとり。

鳴原あきらの過去・現在・未来

オカワダアキナさん定期購読・最終回ぶん届きました

先日、最終回のお知らせということでたいへん丁寧なメールが届いたのですが、今日、最終回発送分が届きました。お手数おかけいたしました。ペーパーと予告ペーパー(『イサド住み』番外編)つきで、ネットで試し読みしなくてもよくて、イベントいけなくてももらえるの、地味にありがたいですよね……

定期購読は、年間4000円を払うと、その間に出た同人誌やペーパーを自動的にすべて送ってくれるというすごいシステムで、普通の作家さんではたぶん成立しないと思うのですが、オカワダ作品の質の高さ、固定ファンの多さ、パフォーマンスのうまさ、その他もろもろで、たぶんけっこうな人数が申し込んでいたと思うんですよね。一年どころか二年近く?の長きに渡って、オカワダさんの作品や制作したアンソロジーが黙っていても送られてくるってめっちゃお得でした。送料その他含めてもおつりがくるので、もう一回やってくれって人もいるのではないか(無茶言うな)。

 

最終回分は以下の三冊。

 

「棚の中、頭の中」

「ロングヘアー日記(仮)」

「おれはセックス依存症の(かわいい)ゴミクズ」

 

「棚の中、頭の中」は末崎鳩さんとの合同Zineで、本の紹介本。お二人の本に対するスタンスとか背景にあるものが強く反映された紹介で、確かに「頭の中」だなあと思いました。私はオカワダさんのおすすめ本がわりとピンとこないことが多くて(いま『塩一トンの読書』読んでるんですがあんまりしみじみ読めない)、でもそこまで含めて肯定してもらえるので、なんとなく安心します。そしてオカワダさんの前でハ××の悪口をいわないようにしようと思いました(おい)。

 

「ロングヘアー日記(仮)」表紙に LONG HAIR THEYって書いてあって、なんでダイアリーじゃないのかなと思っていたのですが、「ロングヘアーなひとたち」なんだなということが読んでわかりました。そうか髪の長さか。私は髪を長くしたことがないからあれなのか。オカワダさんのTumblrの「日々の記録」からの再録+書き下ろしですが、オカワダさんの「日々の記録」はひとつひとつが短編小説のような質の高さなので、これ(仮)じゃなくてそのまま小説でござい、でもいいのではないでしょうかと思ったことです。うち夫婦位牌だから大きさの差なんてないぜーとかつまらないことも思ったり、オカワダさんのパートナーの人には(ぜんぜん違うらしいのですが『晩年のままごと』のカタリナさんの夫のイメージを勝手に持っているのですが、ここでも)クレバーっぽさとお育ちのよさを感じました。あとあちこちに挿入されているおばけのイラスト。これが象徴してるものが何かを考えるとやっぱり一筋縄でいかない作家さんだよなと思います。

 

「おれは~」は、オカワダさんの『ハッシャバイ』(いま発射バイって変換されたぞ)のスピンオフで、主人公が所属するクラブメンバーの一人が、新しくひっかけた相手といたすお話で、R18です。ハートあえぎがあるよ、試し読みはこれですよとあったので、ちょっと構えて読まないといけないかな?と思っていたのですが、オカワダさん語りの強さとテクニカルな部分はいつもどおりなので、セクシーな場面でもするっと読めました(むしろ『イサド住み』の最後の方が「あ、これオカワダさんが好きで書きたいっていってた場面だ」みたいな既視感とエロさがありましたね)。ツイッターで最後になんかあるってネタバレ見てたのでそれも構えていたのですが、ちゃんと伏線あっての展開だったので「あー! なるほどー!」と思いました。正直なところjaくんそこまでゴミクズじゃないと思う。大人が同意あってしてることはクズじゃないよ。誰かに迷惑かけてるわけでもなし……

 

年間購読、どの作品もよかったのですが、アンソロも含めていいなら『BALM』が好きです。自分が参加させてもらったというのもあるんですが、不愉快な作品がひとつもない希有なアンソロでした。普通は「あーあーこんなイキっちゃって」とか思ったりすることがあるのですが、難解な作品も勢いのある作品もどれもよかった。これもオカワダさんの手腕でしょう。私の書いた物もどなたかの目にとまっていたらいいなと思います。

 

今日はこれだけで。